塗膜密着性(付着性)不良の原因解析

目的

 他社の化成処理品において、塗膜密着性(付着性)不良のトラブルが発生したとのことで、依頼により原因解析を行った。

まとめ

 化成処理工程の構成によっては、エッチング状態がおおまかで、凹凸が大きくなり、化成処理皮膜の形成が不均一になり、塗膜の密着性が低下する。
十分な塗膜密着性を得るには、成形生地の状態を考慮しながら、処理工程と処理条件の調整が必要である。


1.分析サンプル

 AZ91ダイカスト成形品
(1) 他社化成処理面
(2) 他社化成処理皮膜を除去後、当社化成処理を行った面

2.分析方法

 使用装置: キーエンス社製レーザー顕微鏡 VK-8700 1,000倍観察
化成処理面を1,000倍のレーザー顕微鏡で観察し、表面の皮膜の均一性、凹凸の状態を比較した。

3.分析結果

 両者の化成処理面の状態は大きく異なった。すなわち、
他社化成処理面は、いわゆる溶岩状であり、凹凸はあるが、大きく、不均一に形成されており、この上に塗装する塗料を密着させるアンカー効果と化成処理皮膜の形成が、不均一かつ不十分になったと推定される。
これに対し、他社化成処理皮膜を除去し、改めて当社が化成処理を行った表面は、ほぼ均一に微小の凹凸が形成されており、凹凸も明瞭であり、アンカー効果と化成処理皮膜の効果を発揮しやすい形状になっている。
尚、この当社化成処理表面は、当社が通常行う化成処理で形成される表面と同等である。

図 再化成処理前後の腐食部のレーザー顕微鏡写真(×400 )
(注)測定場所は異なる。

4.結論

 以上のことから、化成処理工程の構成によっては、エッチング状態がおおまかで、凹凸が大きくなり、化成処理皮膜の形成が不均一になり、塗膜の密着性が低下する。
十分な塗膜密着性を得るには、成形生地の状態を考慮しながら、処理工程と処理条件の調整が必要である。

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